ZILLIQAとは
ZILLIQAのミートアップ来た!
— 高妻 智一@技術ブロガー (@Tomokazu106) January 19, 2018
ZILLIQAとはシンガポール国立大学のチームが発足したパブリックなブロックチェーンプラットフォームです。CEOのXinshu Dongは同大学の 博士号を取得しています。
まだまだ日本では知名度がないですが2015年から独自のブロックチェーンを開発しており現在はテストネットで稼働中とのこと。2017年12月27日から2018年の1月4日までICOを実施して200万ドルを調達しています。次のEthereumやNEOとなるのではないかと個人的に思っています。
ZILLIQAの特徴
シャーディング
ZILLIQAの特徴は秒間数千のトランザクションにスケールできる高スループットなパブリックブロックチェーンを目指しています。現在稼働中のテストネットでは既に秒間2,488のトランザクションを処理することができているみたいです。
この技術を支えている技術的なポイントとしてシャーディングという仕組みをブロックチェーンに取り入れています。シャーディング自体は技術としては一般的で、例えば一つのデータベースにまとめていたデータを複数のデータベースに分割して負荷を分散させるのに使われています。
BitcoinやEthereumの場合、全てのマイナーは同じデータを持ち、同じトランザクションに対してハッシュ値を見つける計算をしています。ZILLIQAではマイナーのノードを1シャード600ずつに分けて、それぞれのシャードで異なるトランザクションのハッシュ値計算を平行で走らせることで高スループットを実現しています。
BitcoinとEthereumではオフチェーンと呼ばれるLightning NetworkとRaiden Netowork、Bitcoin Cashではブロックサイズを大きくしてスケーラビリティ問題を解決しようとしています。ZILLIQAが別の方法で解決するとダークホース的な存在で面白くなりそうです。
Solidityよりも安全なスマートコントラクト言語:SCILLA
ZILLIQAのスマートコントラクト言語語はSCILLAというもので、Solidityほどは自由度は持たせていない。 pic.twitter.com/Rk8GbH9uB1
— 高妻@仮想通貨ブログエンジニア (@Tomokazu106) 2018年1月19日
ZILLIQAではスマートコントラクト言語にSCILLAという独自開発したものを使うようです。Solidityに似せて作っているのでSolidityを見たことある人書いたことある人だったらすんなり入れそうです。
ミートアップではTheDAO事件の原因を解説していましたが、英語だったのであまり理解できず。。。SCILLAを使えばあのようなことは起こらないと解説しています。ここは今後詳しく調べます。
SolidityをZILLIQAでコンパイルできるように開発中らしい!これは乗り換えることもできていいかもですね。
— 高妻@仮想通貨ブログエンジニア (@Tomokazu106) 2018年1月19日
個人的に一番嬉しいのがSolidityをZILLIQAでSCILLAにコンパイルできるように準備しているとのことでした。やはり既にトップシェアであるEthereumからシェアを奪うにはこのような努力が大事ですし、ちゃんと考えているなと感じました。
パブリックチェーンである
Zilliqaはシャーディング構成でテストネットで稼働中。
Q&A
XRPのペイメントシステムとどう違うのかXRPはプライベートチェーンでZillqaはオープンなので誰でも参加できる。
— 高妻@仮想通貨ブログエンジニア (@Tomokazu106) 2018年1月19日
ZILLIQAはこれほどまでの高スループットをパブリックチェーンで発揮しています。プライベートチェーンの利点を活かしたXRPですら秒間1000件程度なのでZILLIQAのパブリックチェーンでの秒間2400件はすごいですね。
BitcoinとEthereumは秒間10件にも満たないので雲泥の差です。まだテストネットということですので、今後シャードが攻撃を受けたりといった状況でもこの高スループットを維持できるようになると現状の時価総額ランキングを一気に覆す可能性がありそうですね。
まとめ
Zilliqaのソースコードはgithubで公開済み。
最後にロードマップ!全然知らなかったけど興味湧いた! pic.twitter.com/wIPbEhNPvU
— 高妻@仮想通貨ブログエンジニア (@Tomokazu106) 2018年1月19日
Zilliqaは金のような投資対象じゃなくて、日常生活の支払いで使われるようなものを目指している。
— 高妻@仮想通貨ブログエンジニア (@Tomokazu106) 2018年1月19日
軽い気持ちで何も調べずに行ったZILLIQAミートアップでしたが今後大きく発展しそうな技術を知ることができてよかったです。
技術的にもBitcoinやBitcoin Cash、Ethereumとは違う方法でスケーラビリティ問題を解決しようとしているのが非常に面白いです。
ICOで成功して200万ドルを集めているので今後も技術動向を報告していきたいと思います。
おすすめ書籍
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髙妻智一
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ZILLIQAについて調べていてこの記事に辿り着きました。勉強になります。ありがとうございます。
ethereumでも、raiden等のオフチェーンのスケーリングだけでなく、zilliqa同様のshardingの検討は以前からあるようです。ただ、zilliqaは立ち上がりフェーズですので、足が速いかも知れないですね。
なお、安全なスマートコントラクトの話は、bitcoinでもethereumでも検討中と聞いています(simplicity、viper)。
コメントありがとうございます。参考になったみたいでよかったです。
追加情報助かります!Ethereumのシャーディングはすっぽり頭から抜けてました。確かに稼働中のものにシャード機能を入れるのはかなり大変そうなのでZILLIQAが先に出しちゃいそうですね。
安全なスマートコントラクトをBitcoinもEthereumも検討しているのは知りませんでした。ここら辺は今後調べてまた記事にしたいと思います。ありがとうございました。