ライトニングネットワークとは?




ライトニングネットワークとは

ライトニングネットワークとはレイヤー2の技術で、オフチェーン上で高速な少額決済を可能にします。

2017年8月にアクティベートされたSegWitはライトニングネットワークを実現するために欠かせない要素としてビットコインブロックチェーンに実装されました。

ビットコインの問題点

ビットコインはトランザクションが承認されるまで10分かかるように調整されているため、瞬時に取引を完了させることができません。しかしこれはセキュリティとのトレードオフの関係となるため簡単に短くすることはできません。また、一回の取引に数百円の手数料がかかる2018年1月時点で送金手数料に約2,000~3,000円、送金時間に2,3時間程度かかるため少額の取引に向いていません。

ライトニングネットワークは上記問題点を解決するために現在開発が進めめられています。

ライトニングネットワークの仕組み

ペイメントチャネル

ライトニングネットワークにはペイメントチャネルという仕組みにより実現されます。

ペイメントチャネルは2者間での取引をオフチェーン上で何度でもすることができ、最終的な取引結果をブロックチェーンに記録するというものです。オフチェーン上の取引には手数料がかからないので少額取引が可能となり、取引手数料も最後の一回しかかからないことになります。

ペイメントチャネルを使用するためにチャネルをオープンした時とクローズした時にも手数料がかかります。

ペイメントチャネルを理解するにはマルチシグとタイムロックという仕組みの理解が必要になります。

  • マルチシグ

マルチしぐとはビットコインへのアクセスに必要な秘密鍵が1つではなく複数の秘密鍵を使用しないとアクセスできない仕組みのことです。

  • タイムロック

タイムロックとはある時点までビットコインの移動を制限することができる仕組みのことです。この仕組みには2つあり、ある日時まで制限する方法と何ブロック経過するまで移動できないようにする方法の2つがあります。

ペイメントチャネルの拡張

ペイメントチャネルは二者間での取引を実現します。これだと複数の人とやり取りするためには都度その人とチャネルをオープンしなければならず手間とコストがかかるという問題点があります。

ライトニングネットワークはこの手間とコストをなくすために、ペイメントチャネルを拡張して実現されようとしています。

取引を行いたい人と直接チャネルが繋がっていなくとも、誰かを介してその人と繋がることでペイメントチャネルと同じことができるというのがライトニングネットワークです。

取引を行いたい相手との間に何人いようとも、誰がいようともライトニングネットワークが自動でつなぎ間の処理を安全に担ってくれるので、あたかも間には誰もいないかのように取引を行うことができます。

まとめ

ライトニングネットワークが実現し、少額決済を高速にできるようになるとIoTでの活用が期待されるなど他の業界への影響期待されています。まだいつアクティベートされるかははっきりしていませんが近い将来必ず実現されます。

少しでも技術的な理解を深めて今後の展開に備えられるようにしとくといいかと思います。

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髙妻智一

2013年CyberAgent新卒入社 スマホゲームを作る子会社に所属し、サーバーサイドのエンジニアを担当。2年目の終わりから新規子会社の立ち上げに参加し、サーバーサイドのエンジニアリーダーとしてサービースのリリースから運用までを担当。 2018年仮想通貨のスマホウォレットを提供するGinco Incにブロックチェーンエンジニアとして入社。






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