まずSegWitとは?
SegWitとはSegregated Witnessの略称でSegregated:分離された、Witness:証明という意味です。ここでいう証明とはブロックチェーン上に記録される電子署名のことを指します。
詳しくは下記記事を参照してください。
SegWit2xとは?
SegWit2xとはSegWitでできたブロックチェーンのブロックサイズを2倍にするというすごくシンプルなものです。
SegWitの状態では1MBがブロックの上限サイズなのですがこれが2MBになります。
これが2MBになると何がいいかというと10分間に承認されるトランザクションの数を倍にすることができるので将来的に問題となる「スケーラビリティ問題」の解決策となります。
デメリット
SegWit2xを実行するにはハードフォークを行うしかありません。ハードフォクに関しては下記記事を参考にしてください。
マイナーも分裂
ハードフォークが行われるとビットコインが分裂してしまいます。
現在BTCをマイニングしているマイナーの8割以上がハードフォーク後のSegWit2xの方を支持しています。分裂後はマイナーがBTCからSegWit2xの方に移ってしまいBTCのトランザクションの承認作業ができなくなるのではないかと言われています。
全くできなくなるまではいかなくとも現状の採掘難易度の状態で急激にマイナーがいなくなるとトランザクションの承認作業まで長い時間がかかるようになります。
承認作業が遅れ、送金が遅延し始めるとビットコインとして機能しなくなるので価格が暴落してしまいます。
マイナーはなぜSegWit2xを支持するのか
まずマイナーはトランザクションの承認作業の報酬と取引の手数料が得られるのでマイニングを行なっています。なので、SegWit2xを支持するということはそちらの方が報酬が得られそうであるからそっちを支持しているという点があります。
ちなみに2017年11月時点では1ブロックあたり15BTC、一回の取引で300円~400円の取引手数料が得られています。
ここで重要となるのが1ブロックあたりの報酬は4年に一度半減していく仕組みとなっています。とうことは今後は取引手数料から得られる報酬の割合が大きくなるということです。
SegWitよりSegWit2xの方がなぜ報酬が多くなる可能性があるのか
SegWitが実装された背景として「スケーラビリティ問題」の解決がありますが、対策がSegWitで完了した訳ではありません。最終的にはライトニングネットワークというものを実装するためにSegWitが実装されました。
ライトニングネットワークというのはビットコインのブロックチェーンから離れたオフチェーン上で取引を行い、最後に最終的な取引結果をブロックチェーン上に記録するというものです。
オフチェーンに関してはこちらの記事参照してください。仮想通貨のオンチェーンとオフチェーンとは?
ライトニングネットワークが本番のビットコインブロックチェーン上で稼働し始めるのがいつになるかはまだわかりませんが、ライトニングネットワークによりビットコインブロックチェーン上での取引回数が減り、得られる取引手数料が減ることになります。
これでSegWit2xの方が報酬が得られるようになり、多くのマイナーがSegWit2xを支持する理由となります。
まとめ
SegWit2xは11月15日付近でHFが行われる予定です。この前後ではビットコイン相場がものすごく荒れる可能性があります。
SegWit2xでできることはビットコインキャッシュ:BCH(BCC)で実現されているので単純にブロックサイズを大きくするだけの変更であればBCHで事足りてしまいます。
SegWit2xには政治的な思惑も含まれているので、ビットコインを保持している人はこれまでの流れをしっかり理解して取引を続けることをオススメします。
おすすめ書籍
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髙妻智一
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